3日前、フランスに戻った。今回は関西に2週間、滞在した。昨年は3週間、帰国した。時差ボケ、文化ボケで過ごす一週間目、「あれはナンだったんだ」とヘマや混乱を分析する二週目、そしてやっと慣れたころに出国する日本。
「日本に帰ると反動的にテレビをよく見る」と、ある雑誌に塩野七生さんが書かれていたが。私もそうだ。不在の時間を埋めるように、むさぼり見る。テレビでいつもやってるのが、グルメ・レストランなどの紹介。食べるシーンが異様に多い。それから外資系の保険のコマーシャル。「病人や年寄りは二束三文ですよ」といのちに値札をつけられてる気になる。外出すれば歳末でもないのに、買い物客でごったがえしているデパートの売り場。日本人は飽食と消費に呆けているのかと不思議な気がする。どこかヒャとするニュースや人の言動。「人間関係が希薄になっている」と聞いて、「そうなの」とうなずく。道行く若い女性たちの化粧の上手さは目を見張るくらいなのに、片や女性たちの社会的地位はそんなに向上してない。自分への問いかけも含めて、疑問に思う。
今回の一時帰国では、改めて日本では「役割」で生きている人たちが多いのかなあと何度も思った。「先生」とか「上司」「長男の嫁」「小姑・姑」、「息子・娘、父親、母親」というもろもろの役割としがらみ。同僚、家族間の役割・責任分担を慣習どうりこなせる人は、「いい人」になり、そうでない人は「常識のない」放埓な人と評価される。
スーパーにならぶ野菜パックのように、日本女性にも、もろもろの規定サイズはある。この「規定」を窮屈に感じる「できそこない」の女性はトコトン基準からはみでて、一番ラジカルなケースは海外に逃散するしかない。女性たちが外国に(短期・長期さまざま)出るのは、ある年齢以上になると「個人」としての可能性を追求できずに、「奥さん」や「おばさん」の役割を負わされることに疑問を感じるからであろう。そんな国で「優等生」でいようとしたら、元気がなくなる。
感受性のアンテナを日本よりにチューニングすると、日本社会の良さが見えてくる。何といっても、食生活の豊かさに驚く。霜降り肉やくだもの、伝統料理を食べて「美味しい」を連発すると、家族や友人たちに「いつも何、食べてんの」とあきれられる。それから良質のサービスと効率性。北米から帰るとそうでもなかったが、フランスから帰国するとこれはつくづく感じることだ。「ミシュランガイド東京版」の発売にあたり、ニューズ・ウイーク誌(2月11日号)で、記者が「日本で食べて一番まずかった料理は、フランスで一番美味しい食事よりも、まだよかった」と書いていたが。これをもじれば、日本で一番遅いサービスが、多分、フランスではまずありそうにない超特急サービスかもしれない。近所の目抜き通りにある高級ブティックのウインドウが割られ、修理されたのは3ヶ月後だった。この国の「社会問題」とも思える賃貸マンションの天井や風呂場の水漏れは、修理されるまで(大家の良心にもよるが)少なくとも3年はかかる。眼科や歯科の予約は早くて半年後。予約が一年後になることも、珍しくはない。消費者としてサービスや商品に関する苦情を言っても、相手の対応は変わらず、「文句をいうあなた」が問題の一部として見なされてしまう。この社会の闇を知らない旅行者たちが、今日もルーブル美術館やシャンゼリゼ通りを目指しパリを訪れる。
数日前までは「がっしり、大柄」の日本の私は、フランスで「標準サイズ」に戻る。そういえば日本製で「大きいサイズ」の私は、アメリカでは「スモール」サイズの服を着ていた。在日「ガイジン」ぽかった私も、フランスで真正の少数派、外国人に戻る。
日本に帰ってもフランスに戻っても、家族・親戚の家でも親友の家でも、それぞれの家に「ただいまあ」と言って帰る。二国を行き来した3日間くらいは、両国の良いところと嫌なところを比べては、無国籍ゾーンを行ったり来たりする。その国の味覚を取り戻すのにも、少し時間がかかる。海外旅行をすると電気環境が変わり、その国の電圧に対応するようなアダプター(変圧器)を使うように、五感の微妙なチューニングが必要になる。一方の国の「平常」に戻っていない居心地の悪いまま、両国を観察する。どの国にもまるまる属さないが、どこに行っても安心できる帰属感はある。どの国にもある、その国の良さ。「生活の質」。住みやすい国と、住みにくい国。便利な国と、不便な国。豊かな国と、貧しい国。これらを判断するには、人生をどう過ごしたいか、何が大事かという価値観にもかなり左右される気がする。
Okinawa 2 (I love Okinawa)
I visited Okinawa last month. Okinawa hosts 74 % of the U.S. bases on 0.6 % of the land. Despite overwhelming opposition, the Japanese government is taking the lead in efforts to build a new U.S. military base in Henoko Bay, emphasizing the deterrence value of the U.S. bases in Japan. Our policy makers want to proceed with the construction "shuku shuku to (calmly and solemnly)."
It is shockingly mindless and undemocratic to disregard the Okinawans' will. Here are some of useful websites on anti-U.S. base acitivities and protests (see the Japanese version – four of eleven sites are in English).
- 辺野古(新基地阻止)基金
- [[http:tamutamu2011.kuronowish.com/sosikikin.htm|Tamu Tamu @ Kuro no wish]]
- 辺野古への土砂搬出反対 協議会が発足
(辺野古に埋め立てる土砂が足りず、多府県からけずって運搬する。すべては米軍のために ― なんとも馬鹿げている)
- [[http:www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=117820|Okinawa Times Journal]]
- 映画が描く沖縄基地問題と日本の選択
- [[http:www.videonews.com/marugeki-talk/738/|Video News]]
- 『戦場ぬ止み(いくさばぬとぅどぅみ)』劇場予告編
- [[http:www.youtube.com/watch?v=zo4nzhwdlx0|Youtube video]]
- 三上智恵監督インタビュー
- [[http:rooftop.cc/interview/150523185939.php?page=3|Rooftop News]]
- New Wave to Hope宮島玲子さんらの活動
- [[http:ja-jp.facebook.com/New.Wave.to.HOPE.okinawa|Facebook Japan News]]
- 米軍基地はもういらない〜辺野古の海を守る人々
- [[http:www.youtube.com/watch?v=zYRhHcaof6w|Youtube video]]
- チョムスキー氏「反基地に奮闘する県民、県政を強く支持」
- [[http:ryukyushimpo.jp/news/storyid-243527-storytopic-3.html|Ryukyu Shimpo Journal]]
- "All Japan" versus "All Okinawa" - Abe Shinzo's Military-Firstism 「オール・ジャパン」対「オール沖縄」 安倍晋三の軍事最優先主義
- [[http:japanfocus.org/-Gavan-McCormack/4299/article.html|Japan Focus Journal]]
- Economics of U.S. base redevelopment sway Okinawa mindset
- [[http:www.japantimes.co.jp/news/2015/05/17/national/politics-diplomacy/economics-u-s-base-redevelopment-sway-okinawa-mindset/#.VWg8NFIppf6|Japan Times Journal]]
- Looking at Flaws in the Henoko Landfill Permit Process from the Standpoint of the Right to Self-determination
- [[http:japanfocus.org/events/view/250|Japan Focus Journal]]
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