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ルクセンブルク vs ルクセンブルグ

Wild trees in Schengen

ルクセンブルグでは、ルクセンブルグ語、仏語、独逸語、そして独逸語の手話の4ヶ国語が公用語です。これに、学界では誰もが話す英語も加わります。首都のあるルクセンブルグ市の日常語は仏語で、市からの通知は仏語、そして独逸語(又はルクセンブルグ語)と英語が書きそえられています。雑誌や立て看板などは、ルクセンブルグ語のみの場合も多々あります。集まる人たちによって、話合いの内容によって、地域によって、言語が変わるという柔軟なところがあります。

この間、はたと気がついたのですけど。日本語のウイキペディアには、ルクセンブルでなく、ルクセンブルと表記されているのですね。独逸語では語尾のGが無声音なので、独逸語を得意とする偉い人がルクセンブルクと表記したのが始まりだろうか、と推測したりしています。

まあ、どちらでもいいのでしょうけど。(いずれにせよ。誤訳や誤記を見かけるのは、残念ですが)ベルギーとフランスの公用語としての仏語と英語の音を表記するなら、ルクセンブルグがより近いかと思います。やはり気になるので、上の4ヶ国語がわかる人たちに聞いてみました。生粋の現地人アナとロビーにも聞いてみました。「どっちだと思う?」「グかな」というのが、今のところ6人に聞いた結果です。

右上の音符マークをクリックしてみてください。これがルクセンブルグ人が語る、彼らの国名です。ネイティブの人なら、自国の名前や言語が、どう外国語に訳されるか気になることでしょうね。

余談ですが。アナ曰く「ルクセンブルグの重要案件は、10ほどの名家で取り決めされていて、後は農民かギャングか外国人だから問題外。み〜んな、家族で親戚で。みんな血脈でつながって、皆が皆を知っている。首都周辺の20メートル四方ですべてが決まる。そういう認識だと思う」確かにそうなんですが、一方でアンチ・フラジャイルなところもあり不思議な国です。

藻谷浩介さんの「世界一の富裕国・ルクセンブルクには、なぜ高級車も高層マンションもないのか | 文春オンライン」という記事を読んだことがあります。

この記事が、やや引っかかっていました。まあ、どうだって良いのですけど。おそらく直接お会いすれば、親しみもわくとは思いますが。タイトルの第一印象は、藻谷さん、ルクセンブルグで何を見てらしたの? C’est n’importe quoi という的外れな気がします。

車に疎い私ですが。ベントレー、ベンツ、ロータス、ロールスロイス、ポルシェ、フェラーリなどを高級車とすると、そういう車は街中に走ってるじゃないですか?ゴー・ミヨとか、ミシュラン・ガイドに載っているレストランなど、点在してるじゃないですか。一方で、ルクセンブルグ経済の支柱となるハイ・ファイナンスは、サスキア・サッセン先生もおっしゃるように、構造的に目に見えづらいものだと思います。

何にお金を使うのかは、社会的な選択。消費は良き人生をおくるための単なる手段だとすれば、景観をこわす高層ビルは、欧州では確かに不人気です。

そして「日常語はドイツの方言、食べ物もドイツ料理ですが」という箇所。この国ではルクセンブルグ語を使い、食べ物もルクセンブルグ料理です。「ルクセンブルグはルクセンブルグ人のもの」なのですね。これはドイツに占領された大戦の歴史や、その人々の記憶やわだかまりを蔑ろにする、不案内な一節だと思います。今年は1919年9月28日に行なわれたダブル選(君主制か共和制か、経済同盟をベルギーもしくはフランスのどちらかを選ぶ国民投票)から100年を記念して、式典が行なわれます。

もしルクセンブルグに一日滞在するならば(メリア・ホテルを出発点と設定)。

ケーブル (Pfaffenthal-Kirchberg funicular) とエレベーター (Pfaffenthal Lift) に乗り(どちらも無料)、市街から渓谷までの勾配をおりて、ユネスコ遺産の城壁を上下左右の角度から見渡してみてください。中世と現在の景色が渾然一体となり、時間軸と空間軸のパノラマが楽しめます。2時間ほどの散策でも見どころが満載なのが、ルクセンブルグ市の魅力です。

日本になくて、ルクセンブルグにあるものを少しあげるなら。主権国家であること、表現の自由、過去の教訓にまなぶ謙虚さ、同性婚、好景気、GDPに締める教育などケイパビリティへの公的支出の割合の大きさ(例*)、子供の多さ、緑の党の台頭、自然の手入れと享受、社会保障を支える他者への信頼、連帯でしょうか。そんな気がます。

写真はシェンゲン協定が調印されたシェンゲンにて。

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